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採用コラム

農業のホワイト化! 農業従事者の離職「離農」の原因・防止策まとめ

 

2019年の総務省レポートにて、農業法人の研修生の3年目までの離職率が、

約40%を記録したと報告がありました。更に人口減少の煽りも受け、全国的に現在農業従事者の確保が困難な状況にあるかと思います。

そんな現状を受け本記事では、農業法人を営む経営者様、または採用担当者様に向けて、新規就農者の離農に対する防止策・対応策をご紹介します。

離農:農業法人における、離職を意味しています。

 

目次

1.離農の原因とは

2.各種社内整備による離農防止策

3.まとめ

 

 

1.離農の原因とは

ここでは、新規就農者の離農原因について取り上げます。

総務省調査レポート結果から、平成 26 年度の研修生のうち離農した研修生(527 人)の

離農経緯を調査を以下に掲載しました。

「業務内容が合わない、想定と違っていた」(35.9%)ことが 離農理由として最も多いことがわかります。

また、「業務内容が合わない、想定と違っていた」の内訳をみると、

「農業の理想と現実のギャップ」が最も多く、次いで「労務管理不満(給与関係)」、

「労務管理不満(勤務時間関係)」となっています。

 

 

平成26年度の研修生のうち離農した研修生(527名)への離農原因調査結果(一部抜粋)

離農理由 構成率(%)
業務内容が合わない、想定と違っていた 35.9
以下内訳
農業の理想と現実のギャップ 31.5
労務環境不満(給与関係) 19.7
労務環境不満(勤怠時間関係) 13.4
生活・将来不安 10.2

 

 

このように、単に研修生の一方的な都合ばかりではなく、労務管理不満など、

農業法人の取組によって、一定程度解消することができる、離農要因による離農も多いことが明らかとなっています。

上記の離農原因をうけ、給与関係について焦点をあてた調査結果もわかりました。

下の図は、就農10年以内の就農者2,265人に対し、生計に関するアンケート調査を行った結果です。

 

 

就農後の農業所得について、就農10年以内の新規参入者2,265人に行ったアンケート結果

 

これをから生計が成り立っていないと回答している就農者は全体の75.5%もいることがわかります。

業務内容による不満、特に31.5%いた、農業の理想と現実のギャップという点では、

技術面の修得難や体力的な問題などが考えられます。さらに生計が成り立っていないという上記調査結果を踏まえると、

農業法人の取組によって、一定程度解消することができる

離農原因は大きく以下の2つといえます。

 

①業務内容の就業前イメージとのギャップ

②生計面での就業前イメージとのギャップ

 

ではこれらのギャップをどのように防止、解消していくのが良いのでしょうか。

 

 

2.各種社内整備による離農防止策

上で整理した原因①業務内容、特に「労働がきつい」、「休暇がとれないない」などの問題は、人手不足を解消することで解消させることができます。

また、②生計面についても、作業効率をあげ、生産性を向上させることで、

必要であった人件費を1人分でもカットできれば、全体の所得の向上にも寄与します。

そこで、こちらでは、人手不足解消、生産性向上に焦点を当て、

いま検討すべき施策をご紹介します。

 

 

ロボット・情報通信技術(ICT)設備の活用

ロボットや情報通信技術(ICT(Information and Communication Technology))は

昨今、様々な業界において注目を浴びていますが、それは農業も例外ではありません。

具体的な製品としてはドローン、トラクタ、田植機、コンバインなど、

その他にも様々な製品があります。

すべてが「人の代わり」とはいきませんが、いくつかの作業は機械に任せ、

人手不足を解消しましょう。

ICTへの設備投資には、費用はかかりますが、効果は期待できます。

農林水産省も「スマート農業」として研究開発に力を入れています。

今後、さらなる技術力の進歩によって、ますます期待ができる施策です。

ICTへの設備投資金確保の観点では、農林水産省が出している補助金など、

それ以外にも複数あります。応募要件など確認し、活用を検討しましょう。

 

単発人員の活用

繁忙期などの必要な時期だけ、人手を集めることができるサービスがあります。

人件費の点でも効率よく人手不足を解消できます。

 

請負代行業者の活用

請負代行業者の業務内容は、かなり広範囲の業務範囲をカバーしています。

主に以下のような業務があります。

①農業および維持管理全般

②定植から収穫までの一連の栽培業務

③草刈りなどの単発作業

 

作物の収穫時期によっても、繁忙期が異なるかと思います。

代行業者を活用すると繁忙期のみ、プロ人員の補強ができます。

金額は請負代行業者にもよりますが、時給1500円前後で稲作、畑作、果樹作業など問わずお願いできる物があります。

詳細見積もりは請負代行業者への問い合わせを行うことで得らます。

 

マッチングサービスの活用

コロナ禍以降、外国人技能実習生の受け入れが困難となる一方で、企業のリモートワークも普及し、地方移住者が増加しました。そういった背景もあり地方農業を数日体験するというサービスが注目を浴びています。

 

採用活動に見直し

採用活動においても、求人等の打ち出す情報を精査し、訴求を見直すことで離農防止に繋がります。こちらでは、採用活動特に求人作成に焦点を当て、離農原因を踏まえながら

訴求ポイント紹介していきます。

これまでの新規就農者の問題意識から、求人の軸としては「労働時間」「給与」を選択するとよいでしょう。応募数を増やすことも重要ですが、離農防止を念頭に置いた場合は、リアルな数字が必要になります。

 

「労働時間」

上記の社内整備の施策例などから、社内として取り組んでいる内容を取り上げ、

それをもとに、現状の労働時間を記載しましょう。

収穫期などの繁忙期とそれ以外で分けて記載するとより分かりやすいです。

 

「給与」

こちらについても、リアルな数字が求められます。

新規就農者アンケートでも、「所得が少ない」という意見は多くありました。

よって、ここで他社との差をアピールすることは、かなり効果的でしょう。

就農後の給与シュミレーションを含め、具体的に求職者がイメージしやすい発信を心掛けましょう。

 

 

3.まとめ

いかがだったでしょうか。

離農防止策として、社内整備と採用に分け、いくつかご紹介してきましたが、

まずは、自社の離農原因の把握をおこなうことから始めましょう。

その後、今回ご紹介した施策うち、何か一つからでも、実践してみることをオススメします。

 

また、北海道採用.comでは北海道の企業が採用を大成功させるためのサポートをさせていただきます。

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出典:総務省ホームページ  https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_190322.html